本文へ

違法薬物には手を出すな!!

最初に,薬物問題の「真実」を知ってもらうため,公益財団法人 麻薬?覚醒剤乱用防止センター企画?制作の薬物乱用防止啓発動画 「Think about drugs!~私たちの選択~」をご覧ください。
映像はこちらから 上映時間15分?学内限定「大教Gmailアカウント(〇〇@ex.osaka-kyoiku.ac.jp」でのログインが必要)

1 違法薬物の現状を知ろう

 大学のクラブ?サークルの所属学生が「大麻」の所持?使用等により逮捕される事件が相次いでおり,大きな社会問題となっています。大麻や危険ドラッグなどの違法薬物の所持,使用は「犯罪行為」です。また,大麻はゲートウェイドラッグと言われ,乱用を続けることでより強い依存性のある薬物(覚せい剤など)の使用の入口になる薬物であり,乱用が続くと身も心も滅ぼし,普通の社会生活が送れなくなります。

 ここ数年,大麻による検挙者数は急増し,その約70%が30歳未満の若者で,中でも急増しているのが20歳未満の若者です。その要因は,大麻や危険ドラッグなどの違法薬物はインターネットやSNSなどで「海外では合法だから安全。体には影響がない。依存性がないので,すぐにやめることができる。」など誤った情報で,大麻などを意味する隠語などを使って購入を促す内容が多く投稿され,簡単に手に入れることができます。また,先輩や友人から「みんなやっているよ。痩せられるよ。イライラが取れるよ。一回だけなら大丈夫。」など甘い誘いを受け,先輩だから断ることができない,友人関係を壊したくないという思いから,違法薬物に手を染めてしまうケースも多々あります。

 関西4大学で行われている薬物に関する意識調査では,大学生のおよそ12人に1人が「大麻や危険ドラッグ等の危険な薬物を使用している人を直接見た経験がある。」と答えており,違法薬物は身近なものとなっています。

 すぐそこにある身近な問題として,違法薬物の危険性について正しい知識を持ってください。もし,友人,先輩,SNS等で知り合った人から薬物に関する誘惑があった場合は「きっぱりと断る」「その場から離れる」「自分で決めず周りに相談する」という行動を取るようにしてください。

2 薬物乱用の意味を知ろう

 違法な薬物を使用することや,医薬品を病気の予防や治療以外の目的で使用することを言います。たとえ1回の使用でも「乱用」となります。

3 乱用される薬物の危険性を知ろう

薬物名 隠語(別名) 形状?作用
覚せい剤 シャブ,ヒロポン,S(エス),アイス,スピード  主に結晶性粉末状のもので,幻覚や妄想が現れ,中毒性精神病になりやすい。使用をやめてもフラッシュバック(再燃)することがある。大量に摂取すると死に至る。
コカイン チャリ,チャーリー,コーク,スノウ,クラック  コカの葉を原料とした麻薬で,無色の結晶又は白色の結晶性粉末のもの。作用としては幻覚や妄想が現れ,大量摂取すると全身けいれんを起こすほか,死に至る。
MDMA(合成麻薬) エクスタシー,バツ(×,罰),タマ(弾,玉)  化学的に合成された麻薬で,様々な色に着色され,文字や絵柄の入った錠剤やカプセルの形で密売されている。作用としては知覚を変化させ,幻覚が現れることがある。大量に摂取すると高体温になり,死に至る。
LSD アシッド,ペーパー,タブレット,ドラゴン,シュガー  合成麻薬の一種で,錠剤,カプセル,ゼラチン,水溶液を染み込ませた紙片等の形で密売されている。LSDは強力な幻覚剤であり,極めて微量でも幻覚症状が現れ,気分が高揚し,不眠状態が続き,体温?心拍数の上昇,頻脈や散瞳等の症状が出る。その幻覚症状が原因で精神錯乱や異常興奮になる。
危険ドラッグ    法律で規制された薬物の成分をわずかに変え,法の網をすり抜けた麻薬や覚せい剤とよく似た物質で,「ハーブ」「お香」「アロマ」などと称して販売されているものもある。作用としては,麻薬などに類似した有害で危険な物質を含んでおり,呼吸困難や異常行動を起こしたり,死に至ることもある。
向精神薬 赤玉,青玉  睡眠薬,精神安定剤など医療用として用いられており,中枢神経に作用し精神機能に影響を及ぼす物質で,その作用によって鎮静剤系と興奮剤系に大別される。乱用すると精神及び身体へ障害を与え,依存すると,思考,感覚及び行動に異常を来す。
有機溶剤(シンナー等) アンパン,純トロ  情緒不安定,無気力となり,幻覚や妄想が現れて,薬物精神病になる。大量に摂取すると呼吸困難となり,死に至る。

4 薬物乱用による身体の影響を知ろう

(1)脳への影響

 薬物を乱用すると脳にダメージを与え,乱用を続けると「運動障害」「記憶障害」「感情や思考の障害」などを引き起こす。一度ダメージを負った脳は修復,再生しないため,正常に戻ることはない。

(2)身体への影響

   ○ 覚せい剤の場合

 幻覚?妄想,フラッシュバックを起こす,血圧が異常に高くなる,静脈に炎症を起こす,強い疲労感や倦怠感,脱力感に襲われる,依存性が高い

   ○ MDMA(合成麻薬)の場合

 混乱,憂鬱,睡眠障害,脳卒中,けいれん,記憶障害になる,高血圧,心臓の機能不全,心臓発作,肝臓の機能不全,腎臓と心臓血管の損傷,悪性の高体温による筋肉の著しい障害

   ○ シンナーの場合

 記憶力の低下,幻覚,妄想,認知障害,視力の低下?失明,歯がボロボロになる,肝臓の壊死,生殖器の委縮,手足の震え,しびれ,麻痺

5 薬物乱用による「耐性」と「依存性」の恐怖を知ろう

 薬物乱用で恐ろしいのは,薬物への「耐性」と「依存性」を繰り返すことです。「耐性」とは,薬物を繰り返し使用しているうちに体が慣れてしまい,同じ量では効かなくなり,使用量が増えたり,より強い依存性のある薬物を使用するようになります。「依存性」とは,薬物を繰り返し使わずにはいられない,薬物を辞めたくても自分の意志では辞められなくなることです。また,治療し,普通の生活に戻っても,何かのきっかけで突然,幻覚?妄想などの症状が再発する「フラッシュバック(再燃)」が起こり,再び薬物を手にする事態となることもあります。1回だけと思っても,薬物の「耐性」と「依存性」によって繰り返し使用し,使用回数?使用量がどんどん増えていき,薬物乱用をやめることができなくなるという薬物依存のスパイラルに陥ることが,薬物乱用の最も恐ろしい特徴です。

6 大麻について知ろう

 「海外では合法だから安全。体には影響がない。依存性がないので,すぐにやめることができる。」という情報は誤った情報です。誤った情報に流されないよう,正しい知識を身につけ,絶対に関わらないようにしてください。また,若者の検挙者が急増している大麻ですが,最近では大麻から幻覚成分を抽出した「大麻リキッド」や「大麻ワックス」など新しいタイプの加工品が増加しています。また,大麻成分を含んだ「大麻チョコレート」や「大麻クッキー」「大麻グミ」などお土産やお菓子として販売されている場合がありますので,十分注意しましょう。

(1)大麻とは

薬物名 隠語(別名) 形状?作用
大麻(マリファナ) ハッパ,クサ,グラス,チョコ,野菜  乾燥大麻(マリファナ),大麻樹脂(ハシッシュ),液状大麻(大麻リキッド)があり,知覚を変化させ,恐怖状態(いわゆるパニック)を引き起こす作用がある。乱用を続けると,学習能力の低下,記憶障害,人格変化などを起こすほか,心臓血管系,自律神経系に悪影響を与える。

(2)大麻は違法薬物です

 大麻に関する法律が改正され,今後大麻は「麻薬」の一部という位置付けとなり,さらに,新たに「大麻使用罪」が創設され,大麻を使用した場合は7年以下の懲役が科せられることになります。

(3)大麻は若者の脳に大きな影響を与えます

 大麻の花や葉には脳の知的機能や記憶の形成を司る部位(海馬等)に作用する成分が含まれており,大麻の乱用は,脳に対して大きな影響を与え,次の現象が現れることが判明しています。

  • 時間や空間の感覚が歪む「知覚の変化」
  • 認知機能や記憶等に障害が出る「学習能力の低下」
  • 瞬時の反応が遅れる「運動失調」
  • 統合失調症やうつ病を発症しやすくなる「精神障害」
  • 短期?長期記憶や情報処理速度が下がる「IQ(知能指数)の低下」
  • 大麻への欲求が抑えられなくなる「薬物依存」

7 違法薬物に関する刑罰について知ろう

 違法薬物については,以下のとおり重い刑罰を受けるだけでなく,学生懲戒規程に基づき退学等の厳しい処分を課すことになります。

(1)覚せい剤の所持,使用(覚醒剤取締法)

単純所持:10年以下の懲役

営利目的:1年以上の有期懲役,若しくは500万円以下の罰金又はその併科

(2)大麻,コカイン,MDMA,LSDの所持?譲渡?使用
(麻薬及び向精神薬取締法?大麻は改正法施行後)

単純所持:7年以下の懲役

営利目的:1年以上10年以下の懲役,若しくは300万円以下の罰金又はその併科

(3)その他

 危険ドラッグについても,法律で指定する指定薬物及びこれを含有するものは医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律により「3年以下の懲役」に科せられます。

8 違法薬物に関する相談窓口はこちら

 生きづらさや困りごとを誰にも相談できず、違法薬物を使ってしまう人もいます。また,中には違法と知らずに使用している人,知らぬ間に飲食物に混入されたり,異変を感じたケースもあるかもしれません。身近なところで薬物に関して困ったこと,悩みごとなどがあれば学生支援課なんでも相談窓口,保健センター,あるいは薬物乱用防止相談窓口に相談しましょう。(相談者のプライバシーは守られます。)

【相談先】
学生支援課なんでも相談窓口

 TEL:072-978-3343
 E-mail:nandemo@cc.
 (注)E-mailを送信する場合は、末尾にosaka-kyoiku.ac.jpを付加

保健センター

 [必威体育] TEL:072-978-3811
 [天王寺キャンパス] TEL:06-6775-6652
 E-mail:chcc@cc.
 (注)E-mailを送信する場合は、末尾にosaka-kyoiku.ac.jpを付加

大阪府薬務課麻薬毒劇物グループ

 TEL:06-6941-9078

大阪府こころの健康総合センター 依存症専門相談

 TEL:06-6691-2818
  依存症専門相談のご案内はこちらから

大阪市こころの健康センター 依存症に関する相談(大阪市内に在住の方が対象となります。)

 <依存症相談専用回線> TEL:06-6922-3475
 依存症に関する相談HPはこちらから

堺市こころの健康センター 薬物依存相談

 TEL:072-245-9192

 


【参考文献】

○ 麻薬?覚せい剤?大麻乱用防止運動(厚生労働省 都道府県)

○ 学生のみなさん 薬物のこと大麻のこと 誤解していると危険です!(厚生労働省 文部科学省)

○ 薬物のない学生生活のために~薬物の危険は意外なほど身近に迫っています~
  (文部科学省?警察庁?内閣府?厚生労働省)

○ 大阪府薬物乱用防止啓発資材

   「大麻は違法薬物!!」

   「No ドラッグ Osakaリーフレット」

○ 薬物乱用のない社会を(警察庁 必威体育5年度)

○ 公益財団法人 麻薬?覚醒剤乱用防止センター